2005年 01月 16日
朝起きて、今日の行き先について話し合った結果、徳島方面は降水確率も高いので、今回は断念して結局王子ヶ岳になった。指皮が本当にやばいけれど、ファイ田も滅多にこちらにこれるわけではないし、雨降ったらその日一日が台無しになってしまうので、まあ仕方ないかなーと王子ヶ岳に向けて出発。今回S村君は初王子ヶ岳。 まずは入口エリアにて、「スーパーカンテ」4級、「エイトマン」4級、「安藤君カンテ」2級にトライ。私と中山君が、先週やっと自分たちでムーブを見つけて完登した「安藤君カンテ」。ファイ田やS村君、みっちゃんに有効なホールドやムーブを教えたら、3人とも結構すぐに完登してしまった。教えるまでは全然登れそうになかったのに~。 「安藤君」をさらっと登ったS村君は、「エイトマン」4級に大苦戦。ファイ田は、昨日までとは違い、今日はえらく調子が良いようで、触った課題はほぼ落としていた。またミウラーが相当この粗い花崗岩にはしっくりくるらしく、登れてもみんなから「靴が登らせてくれたんやー」と言われる始末(笑)。みっちゃんも、本当に久々の生岩を楽しそうに登っていた。「国彦さんカンテ」3級は登れそうで登れず、残念だったけど・・・。中山君は、昨日の江坂でのファイ田との対決と寝不足で相当疲れていたようで、本日はほとんど登らず。ビデオ撮ったり、冷やかしに徹していた。私は、王子ヶ岳に来たからには、宿題の「スプーンカットフェイス」を完登して帰りたかったので、 指皮保護の為、入口エリアでは4級を2本登ったのみ。 その後、入口エリアを後にして、ファイ田の希望で「スプーンカットフェイス」初段のあるニコニコ岩エリアへ。最初に私が取り付くと、ファイ田とS村君が寄って来てスポットするフリして、必死にスタンスやらホールド、ムーブを観察(笑)。一回目のトライで、ムーブも間違えずに、この前の高度まで到達することが出来、今日中には落とせるかも、なんてこのときは思っていた。しかし、運命のトライ3回目。最終の一手前まで到達し、右のカチに力を込めて左手でリップを狙いにいこうとした瞬間、左足が滑り、フォール。。。結構な高さから、ちょうどマットのない場所に落ちてしまった。着地の衝撃で爪先に激痛が走る。「いたたた・・・・」しかし、もっと悲惨なことに次の瞬間直面。座ろうとした青いマットの上にボタボタと血痕が・・・。あれ?さっきまではこんなのなかったよなー?ふと自分の右手に目をやると、人差し指からドクドクと流血してるし!まじっすか?!カミソリの刃のように鋭い右カチを持ったまま足が滑ったので、ざっくりと皮をやっちゃった模様。生血を見た途端力が抜け、急に指先が痛み出した。 傷は結構深そう。でも、あんまり見たくないので、とりあえず痛みを我慢しつつ止血して、みっちゃんに手伝ってもらってテーピングぐるぐる巻きに。私の本日のクライミングはこれにて終了。呆気ない幕切れだった(涙)。 私が「スプーンカットフェイス」脱落後、S村君VSファイ田の闘いが始まった。2人で何度も交互にトライを重ねるうちに、ようやく自分たちのムーブを発見。リップまではなんとか到達出来るようになってきたけど、それでも下部で落ちるトライもあったり、いけそうで最後で落ちたりの繰り返しで、「もうそろそろ諦めて東のエリア行かんと日が暮れるで~」と言ってるのに2人は夢中。今日中の完登は無理っぽいなーと見てたら、突然ファイ田がリップホールドから何もないスロープ状のところにデッドを出して止め、そのまま這い上がって完登を果たした。あちゃー、やられちゃったよ・・・。まあ登れるだろうなとは思っていたけども、今日中に登れるとは思わなかったなー。すると急にS村君の顔つきが変わった。それからの彼は、私たちが今まで見たことのないくらいの執拗さを見せ、「スプーンカットフェイス」に一人黙々と打ち込む打ち込む・・・。 いつもは、完登に全然執着心がないというか、興味がないというか、ムーブさえ堪能できればそれでいいって感じなのに、今日の彼は違った。こんな一面もあったのかと私たちも驚いたくらい。そのファイ田ばり(?)のしつこいトライのおかげで、なんとかS村君も完登を果たし、 2人の戦いは、東のボルダーエリアにある「ハングマン」初段でも繰り広げられた。 最初、この「ハングマン」を上のガバからトライしていた二人は、結構すぐにマントルを返して登ってしまい、「これじゃ初段じゃないだろー」ってことでシットスタートのトライを始めた。最初のギャストンで止める一手がかなり遠く、162、3cmの彼らには相当厳しそう。ファイ田は果敢に挑戦するものの、止まりそうな気配はほぼゼロ。しかし、S村君は早々にこの難しい一手を止め、上部へと繋げていくものの、SDからだとどうしてもパワーのロスが大きいらしく、最後のマントルがどうしても返せない。でも、この時点では、S村君の完登は時間の問題だなーという感じだった。それを本人もわかってるからか、「次こそは」とトライを重ねるものの、なかなか完登を手中に出来ず。そうこうしているうちに、とうとうファイ田が全く出来そうになかった一手目を止め出した。意気上がるファイ田。「マントルに持ち込めば俺の勝ち!」と必死にトライしまくり。 ファイ田に追いすがられて焦るS村君。マントルを返すまでは安定してるもののそこからどうしても先に進めない。日もどんどん暮れ始めた。「はよ帰ろ~」という私たちをよそに完全に二人の世界・・・。そしてとうとう、本気モードでこの寒い中Tシャツ一枚になってトライしたS村君が完登!!ファイ田も、「S村君には負けれーん!」という思いからか、まだ執拗にトライし続ける。しかし、このままトライが終わらなかったら、本当に日が暮れるので、「次でほんまに最後にしてや~」と私たちが言って、ようやく渋々それを受け入れる始末。いずれは完登出来そうだけど、今日はもう無理だろなーと見てたら、最後の最後、本当に登っちゃった!!これにはみんなビックリ。 確か笠置の「親指君」のときもそうだった。あの日、とても登れそうになかった「親指君」。しかし、逆転満塁ホームランのごとく、最後の最後で完登して、彼は関西を去っていった。多分ここぞというときに、実力以上のものが出せる人間なんだろう。また負けん気が物凄く強いヤツなので、 一番自分と競えそうな人間を見つけては、張り合って未知なるパワーを発揮してくる。標的になった人間はたまらないなぁと、いつも中山君を見てかわいそうに思うけれど、今回はその中山君は最初から戦意喪失系。で、本日の標的はS村君になってしまったわけ。しかし、いくらS村君が花崗岩のボルダーに慣れてないからと言っても、今や実力では遠い存在の彼にここまで追いすがっていくとは、本当に末恐ろしい奴。 と、まあ2人の闘いは充分に楽しませてもらったけど、今回の遠征は私にとっては最悪だった。目標の課題が登れなかっただけでなく、土曜日にボルダーコンペが控えてるのに、全く人差し指が使えない状態になってしまってかなり凹んでいる。。。パキったわけではないのがせめてもの救いだけど、指先の怪我というのがかなり痛い。物を持つと激痛。せめて土曜日までにはそこそこに皮が張ってくれたらいいんだけどなぁ・・・。
by ponpoko129
| 2005-01-16 22:54
| 王子ヶ岳(岡山)
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